​​1990年代初頭、私はアメリカのハイテク企業の駐在員として日本に赴任し、東京オフィスのマネジメントを任されました。ある友人の紹介で、浅草にある百華 野村人形の素晴らしいショールームを訪れる機会がありました。壁一面に美しく展示された木目込人形を目にした瞬間、その圧倒的な美しさと存在感に心を奪われ、感動したのを今でも鮮明に覚えています。特に、一体一体の人形に使用されている多彩で華やかな織物（ブロケード）の数とバリエーションには強い魅力を感じました。

 

これが、私と百華との出会いであり、その後のコレクションの始まりでもありました。サービス、信頼性、細やかな心配りのすべてが他に類を見ない素晴らしさでした。後に海外からも注文しましたが、その際の丁寧な梱包や発送対応にも大変感銘を受けました。

 

現在、私の自宅の各部屋には、それぞれ異なるテーマを持った木目込人形がガラスケースに入れて飾られています。また、これまで特別な祝いの場にふさわしいモチーフの人形を贈り物として選ぶこともありました。たとえば、『京都の愛』という男女の人形が繋がった作品を、アメリカの同僚たちの3組の結婚祝いとして4体（もちろん自分用にも1体！）注文したのは思い出深いエピソードのひとつです。

 

そして今、百華の伝統は新ブランド「Yujinart」へと受け継がれ、西陣織をインテリアやファッションアイテムに展開する新たな試みにも心を惹かれています。これからは、これらの魅力的な西陣織の作品をまた少しずつ集めていきたいと考えています。まずは禅クッションから始めてみようかしら！

~ Fae N., Scottsdale, Arizona